Wednesday, June 27, 2007

Tanz Walzer



2000年7月末のある日、
僕はスウェーデンからオーストリアに向かう飛行機に乗っていた。
チェコ、フィンランド、スウェーデンと続いた仲間たちとの旅を終え、
ひとりで一路ウィーンを目指していたのだ。

離陸時に窓の向こうに見えた北欧の森はどこまでも拡がっていて、
その間を縫うように1本の道が通っていた。みるみるうちにそれらは
深い緑の絨毯となり、やがて僕らは雲の上にいた。
太陽の光がまぶしく、思わず瞼を閉じた僕は、
そのまま楽しかった旅の思い出を反芻しながら、
眠りに落ちたのだった。

目覚めると、飛行機は着陸態勢に入っており、
下のほうにドナウ川の流れが見えた。ウィーンだ。
2週間ぶりに、再び東欧に戻ってきた。
飛行機は数時間のフライトを無事終え、僕をウィーンに運んでくれた。

バスに乗り、街の中心部へ。そんなに時間を要さず、
僕はウィーン南駅に降り立った。
ウィーンはプラハとはまた違う雰囲気を持っていた。
シュテファン寺院へと続く石畳の街並み、オペラ座の荘厳な雰囲気と、
時代を超えてそれに絶妙に溶け込む街の雰囲気。さらにゆけば王宮。

一通り歩き、路面電車が走る道をはずれ、
見つけた一軒のホテルにその日の宿を取った。
部屋の片隅にバックパックを降ろし、窓を開け放ち、外を見やる。
夕方の太陽が中庭に降り注ぎ、
子供たちが何やら声をあげて遊びに熱中している。
そよ風に吹かれながら、溜まりに溜まった洗濯物を広げて洗濯することにした。
窓の外からは、どこからともなく楽器を奏でる音が聞こえてきた。

そんな7年前の夏。

この後僕は風邪を引き、ウィーンで盟友と落ち合い、
電車に揺られながら二人でライプニッツを目指した。

その2年後、僕は再びウィーンを訪れた。
そこには2年前と変わらない街の風景があった。

そしてまた、このCDを聴きながら、
当時の旅に想いを馳せる。

『Tanz Walzer』 QURULI

0 Comments:

Post a Comment

<< Home